読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

当ブログは解体作業中 予告なく閉鎖されることがあります

シャープもいよいよか…な?

平成27年(2015年)11月21日(土) 十日夜

 経営再建中の大手家電メーカー、シャープは、この数年経営危機にあえいでいる、と伝えられています。

 

 財務状況から言ったら、とっくに経営破綻していてもおかしくないのですが、メインバンクが資金を出して債務の返済期限を先延ばしにするなどして、なんとか”延命処置”をしている、という状態のようです。

 

 シャープと言えば、パナソニックと並ぶ、大阪に本社を持つ家電メーカー、というイメージがありますが、実は発祥は東京なんです。

 

 創業者の早川徳次は、東京の久松町の生まれで、墨田区で町工場をしていました。そこで、ベルトのバックル「徳尾錠」や、シャープペンシルの原型である「早川式繰出鉛筆」(シャープの社名も、これが由来です)など、独創的な製品を発明、「下町のエジソン」の異名をとるほどだったそうです。

 

 ところが、大正12年(1923年)に発生した関東大震災で工場は壊滅してしまったため、大阪へと工場を移したんです。

 

 その後、鉱石ラジオの国産第1号を製作するなど、工場も大きくなり、世界的な家電メーカーへと成長していくのです。

 

 早川徳次の独創性は、その後も受け継がれ、国産テレビ第1号や、世界初のオールトランジスタ電卓、世界初のターンテーブル式電子レンジ、業界初の日本語ワープロの開発など、独創的・先進的な製品を次々と世に送り出します。

 

 ところで、早川徳次は貧しい家庭に育ったため、8歳の時に養子に出されるのですが、養子先で後妻に入った継母に食事を十分に与えられないなどのひどい仕打ちを受けたそうです。

 

 それを見かねた近所の盲目の女性が、徳次の手を引いて、年季奉公に出してくれたのです。子供の時に受けたその恩を返そうと考えた徳次は、第二次世界大戦後に「特選金属工場」という工場を作って戦争で失明した人たちを雇い入れたり、共働きや身体障害者の工員の子供達のために、保育所を作ったりしました。

 

 今でこそ、企業が従業員のために保育所を作ったり、障害者雇用促進法による特例子会社といった制度があったりしますが、早川徳次は昭和20年代にそういった取り組みを行っていたのです。

 

 また、シャープは従業員の首を切らない、という方針でも知られ、従業員を大事にするという文化もあったのです(これが今の経営悪化につながっている、という評価もあります)。

 

 このような、日本の愛すべきメーカー、シャープですが、最近では本社を売却したり、大幅な人員整理をしたり、背に腹は変えられないとばかりに、なりふり構わぬリストラ策を敢行しているものの、なかなか経営は上向きにならないようです。

 

 そして、「いよいよこりゃダメかな」と思わせるニュースが飛び込んできました。

 

 シャープは、昨日20日より来年の1月29日まで「特別社員販売セール」というのを実施するそうです。

 

 これは、全従業員を対象に自社製品の購入を呼びかけるもので、取締役や執行役員は20万円、管理職は10万円、一般社員は5万円と、役職に応じて”目標金額”を設定。セール専用のサイトから申し込む仕組みで、社員には購入額の2%分を奨励金として支払うそうです。

 

 でも、購入状況を会社側が把握できるため、目標金額は事実上の「ノルマ」と受け止められているそうです。社員に配布された文書には、「厳しい難局を乗り切れるよう協力してほしい」と書かれているそうです。(YOMIURI ONLINEより)。

 

 日本のサラリーマンは、「終身雇用システム」という悪しき慣習によって、「会社とは一蓮托生」という感覚があって、「ここは会社の一大事だから、我々も協力しよう」という感じになるんでしょうけど、ヨドバシカメラやビックカメラに行って買えば、いろんなメーカーから選べてポイントも10%付くのに…と思うと、社員の方が気の毒でなりません。

 

 思うんですが、商売というのは、世の中の需要を掘り起こして、そこから利益を得て、社員や株主に還元したり、次の生産に投資したりするのが本筋でしょ?社内でお金を回したって、しゃーないで、って感じがしてしまうんです。

 

 一時、郵便局の「自爆営業」が話題になったりしましたが、他にも従業員に自腹で自社製品を買わせるような会社は結構あるみたいです。

 

 でも、本当に世の中に必要とされている製品やサービスなら、自分たちで買わなくたって、ちゃんと売れて、そこで利益を上げられるはずです。自分たちで買わなきゃ利益が上げられないようなら、それは商売として成り立っていない、と思うんです。

 

 こういうのは、陰でコソコソやるべきものじゃないのかもしれませんが、こんなに大々的に報道されると、「ウチの製品、もう世間では需要おまへんのや」と、シャープの逆宣伝になってしまう気がするのは、私だけでしょうか?