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パリの同時多発テロについて思ったこと

平成27年(2015年)11月16日(月)

 13日夜(現地時間)にフランスの首都・パリで発生した大規模な同時多発テロは、130人近い死者を出す大惨事となりました。

 

 今回のテロは、政府機関や軍施設といった警備の厳しい場所ではなく、サッカースタジアムやライブハウス、カフェといった、一般市民が集う厳重な警備が難しい、いわゆる「ソフトターゲット」が狙われました。

 

 このテロについて、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、フランスのフランソワ・オランド大統領は「我々は戦争に直面している。フランスや、私たちが世界中で守っている価値に対する戦争だ」と会見で強く非難しました。

 

 価値うんぬんの話はともかく、少なくとも週末を楽しんでいる、なんの罪もない多数の人に向けて無差別に爆弾を爆発させたり銃を撃ったりする行為が、人間の行為として許されるはずは絶対にありません。これは、どんな宗教、思想、文化を持った人であれ、まともな人間であるならば共通の認識であると思います。

 

 ただ、私は素朴な疑問として、(これって、戦争なのかな?)と思いました。オランド大統領がフランス語で言った「戦争」という言葉の定義はどういうものなのかわかりませんが、私のイメージだと、「戦争」って、国家vs国家による紛争、だと思っていたので、この手のテロ行為を「戦争」と認定してしまうと、テロ集団を「国家」に格上げしてしまう感じがしてしまうんです。

 

 2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロは、イスラム過激派組織「アル・カーイダ」による犯行とされ、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「これは戦争だ」とテレビで訴えました。

 

 それで、ブッシュ大統領は報復として、アフガニスタンに侵攻、さらにイラク戦争へと繋げていきます。

 

 アメリカはイラクのサッダーム・フセイン大統領が大量破壊兵器を隠し持っていて、それをアル・カーイダに供給してると認定して一方的に戦争を仕掛けました。しかし、その後アメリカ議会の調査では、イラクが大量破壊兵器を持っていた事実も、アル・カーイダと関係があったという事実も見つからなかったことが報告されました。

 

 今回のテロ事件は、前述の通り、絶対に許すことはできません。でも、フランス政府やフランスの一般市民には、とにかく冷静になって、慎重かつ粛々と対テロの戦いをしていってほしいと思っています。

 

 それでも、今後、フランスをはじめとして、ヨーロッパ各国では、移民・難民の排斥やイスラム教徒へのヘイトクライムも増えていくと思います。

 

 フランスの極右政党と言われる国民戦線のマリーヌ・ルペン党首は、テロがあった金曜日の夜は、地方に選挙遊説に出かけていたそうです。そこで「イスラム原理主義の土壌が、我々フランス人の生活のあり方や自由を脅かしている」と支持者の前で訴えたそうです。

 

 こうした主張は、今回の事件後、さらに強まっていき、実際、移民の受け入れ制限も行われていくと思います。

 

 でも、今や海外渡航が自由に行われ、インターネットの普及で世界中の人が情報を共有できる世の中になっているのに、感染病ウイルスの保持者をシャットダウンするのと同じ感覚で移民や難民を排除して、果たしてテロの脅威を防げるのか、という疑問はあります。

 

 中東のイスラム過激派組織も、「対キリスト教」「対白人」ということを強調することで、ヨーロッパ社会の分断を巧みに狙っています。その意図にみすみす乗っかって、多くの善良なイスラム教徒に対してまで敵対心を持つのは、果たして得策なんでしょうか?

 

 フランスのイスラム教徒もそうでない人も、みんなで連携して、フランス人が作り上げてきた自由・平等・博愛の精神を悪用し、アラーの神や預言者ムハンマドの偉大さを貶め、世界中でイスラム教の逆宣伝をし、多くのイスラム教徒に迷惑をかけ続ける過激派組織を壊滅していってほしいな、と願っています。