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祝・北陸新幹線開業! そして、私の故郷・新潟県を語る^^

平成27年(2015年)3月21日(土)

  鉄道クイズの定番として、新幹線(フル規格)の駅の数が一番多い都道府県は?というのがあります。

 

 2002年11月までは、静岡県が東海道新幹線の駅が6駅(熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松)あって、1位でした。そして、2002年12月に、東北新幹線が盛岡駅から八戸駅まで延伸されたことにより、岩手県が7駅(一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻、盛岡、いわて沼宮内、二戸)となり、1位に躍り出ました。

 

 そして、先週の土曜日14日には、ついに待望の北陸新幹線が開業(長野新幹線の金沢延伸)しました。これにより、首都圏と富山県、石川県が新幹線でつながり盛り上がりを見せていますが、新潟県にも上越妙高(じょうえつみょうこう)と糸魚川(いといがわ)という2駅が誕生しました。

 

 新潟県にはご存知の通り、1982年に開業した上越新幹線も走っていて、5つの駅(越後湯沢、浦佐、長岡、燕三条、新潟)があり、今回の北陸新幹線の2駅と合わせて7駅となって、岩手県と並びました(ちなみに、新潟県は、接続や分岐をしない新幹線2路線が存在する唯一の都道府県となりました。←上越新幹線と北陸新幹線は、群馬県の高崎駅で分岐)。

 

 北陸新幹線の開業で、さぞかし新潟県も盛り上がってるだろう、と思ったら、富山、石川両県に比べると、ちょっと温度差があるみたいなんです。

 

 昨年の8月に、JRは北陸新幹線の運行計画を発表しました。そこで、東京〜金沢間の主要駅に停車する最速達タイプの「かがやき号」、東京〜金沢間の各駅に停車する「はくたか号」、東京〜長野間の各駅に停車する「あさま号」、長野〜金沢間の各駅に停車する「つるぎ号」という4種類の列車を運行する、と発表しました。

 

 ところが、主要駅にしか止まらない最速達タイプの「かがやき号」は、大宮駅を出ると、長野駅、富山駅、終点の金沢駅にしか停まらず、新潟県の2駅は完全スルーされることがわかりました。

 

 これにより、北陸新幹線の建設に1000億円以上も負担した新潟県はヒートアップ。泉田裕彦知事は、「原則として、1県1停車駅と主張してきた新潟県としては残念な内容だと言わざるを得ない」というコメントを発表しました。

 

 単純に人口だけで比較するのは雑かもしれませんが、沿線の人口を比較すると、長野市は約37万人、富山市は約42万人、金沢市は約46万人。それに対して、新潟県の上越市が約20万人、妙高市が約3万人、糸魚川市が約4万人。

 

 当然、北陸新幹線は、首都圏と長野・富山・金沢の各駅間を利用する人が多いわけで、JRも需要を考慮して停車駅を決めているわけです。新潟県としては、最速達タイプの新幹線が停まれば、首都圏はもちろん、長野や富山や金沢の人たちも多くビジネスや観光に訪れてくれるはず、という思いがあり、その気持ちはよくわかるのですが、非常に厳しい言い方をすれば、それは、売り物がないのに売り場だけ確保せよ、と言ってるのに等しく、自由経済ではなかなか受け入れがたい主張なのかな、と思います。

 

 それで、時刻表を見たら、なんと、「かがやき号」は1日10往復に対し、各駅に停まる「はくたか号」は1日14往復もあるのです。私はてっきり、新潟県内には1日2〜3本しか停まらないのか、という感覚でいましたから、これだけ停まれば十分じゃん、と思ってしまったのです。

 

 それから、北陸新幹線の開業によって、新潟県の頚城(くびき)・魚沼地方を走る第3セクターの鉄道、北越急行の収益が大幅に減少することがわかっています。

 

 この北越急行は、もともと国鉄(今のJR)の路線として計画され、1968年に着工されたものの、国鉄の経営難や、トンネルの難工事などでたびたび建設がストップ。実に着工から29年目の1997年に、ようやく開業したという路線なのです。

 

 この鉄道は、陸の孤島と言われた豪雪地帯を通り、建設中も沿線の過疎化が進み、さらにマイカー保有率も高い地域を走るということもあって、開業前から採算性は疑問視されていましたが、開業してみると、第3セクターの鉄道としては異例の、大幅な黒字経営となりました。

 

 これはなぜかというと、この北越急行は、首都圏と北陸方面を最短距離で結ぶバイパスのような鉄道で、上越新幹線の越後湯沢駅から特急「はくたか号」がこの鉄道を経由して富山・金沢方面を結んでいて、首都圏と北陸地方を鉄道で移動する人のほとんどが利用していたからなのです。

 

 しかし、北陸新幹線の開業により、バイパス鉄道としての役割を終え、特急「はくたか号」も廃止されました。それまでは、全体の収益の9割以上を北陸地方の利用客から得ていましたので、今後は大幅な収益減となってしまうのは避けられません。

 

 北越急行もそのことは重々見越していて、なんと今までの黒字分を内部留保して、そのお金が昨年までで140億円にもなり、今後赤字経営でも30年は持ちこたえることができるそうなのです。

 

 でも、そのお金も無くなってしまえば、鉄道の存亡にかかわる事態になるのは必至です。そこで北越急行では、特急「はくたか号」に代わって、「超快速」という電車を走らせることにしました。

 

 この「超快速」は、所要時間は特急「はくたか号」と変わらないものの、特急料金が不要なため、運賃は安くなっています。富山、石川県には乗り入れないものの、上越地方の利用客の取り込みを狙った電車なのです。

 

 東京まで行くのに途中で上越新幹線に乗り換えなければならず、北陸新幹線を利用するよりも所要時間がかかり、運賃も劇的に安くなるというわけではないようなので、果たして北陸新幹線に対抗できるのかちょっと疑問ですが、ただ手をこまねいているだけでなく、こういう営業的な努力をするのは、とても大切なことだと思うんです。

 

 沿線の過疎化は今後も避けられそうになく、経営はかなり苦しくなっていくものと思われます。千葉県のいすみ鉄道のように、観光鉄道として存続を図るなどの方策も考えられますが、私は今後の様子を見ながら、早い段階で鉄道に見切りをつけたほうがいいのかな、と思います。

 

 でもそれは完全に廃止するということではなく、技術的に可能かどうかわからないのですが、鉄道の線路を撤去して、バス専用道路とし、BRT(バス・ラピッド・トランジット)システムに移行したらどうかな、ということなのです。

 

 日本は明治以降、鉄道が地域を発展させてきたという歴史がありますので、住民の鉄道信仰というのが非常に強い国だと思います。

 

 東日本大震災の津波で流されたJR気仙沼線は、鉄道の再敷設ではなく、バス専用道路となり、BRTとして生まれ変わりました。

 

 しかし、地元の人は、BRTはあくまで暫定的なものと考えていて、将来的には鉄道を復活させたいという意向のようですが、鉄道よりもBRTの方が運行経費が少なくて済むので、鉄道時代よりもBRTの方が3倍も運行本数が多くなったそうです。もちろん、1本あたりの輸送人員は鉄道の方が多いですが、待ち時間は単純に言ってもBRTの方が3分の1になったということであり、バス専用道路ですので渋滞にも巻き込まれず、利用者のストレスはむしろ減ったのではないかと思います。

 

 だから、もし北越急行の収益が悪化していったとしたら、あえて鉄道にこだわらなくてもいいのではないのかな、と思ったのです。北越急行をBRTにして、両端で関越・北陸自動車道に接続すれば、首都圏から北陸方面への高速バスの所要時間が大幅に短縮され、もし運賃が北陸新幹線の半分くらいになれば、北陸新幹線にとってかなり強力なライバルになりそうな感じがしたのです。

 

  そして、最後にもう一つ。前述の通り、新潟(市)方面に向かう上越新幹線と、長野・富山・金沢方面に向かう北陸新幹線は、群馬県の高崎駅で分岐します。それで、今まで上越新幹線を利用していた富山・金沢方面に向かうお客さんが北陸新幹線に流れ、上越新幹線の高崎駅より北の部分は、利用客の減少で支線のようになり、本数が減らされるのではないか、という懸念が、新潟県民にはあるようです。

 

 でも、私は、この点はそんなに心配いらないのではないかと思います。確かに、東海道・山陽新幹線はもちろん、東北新幹線も、九州新幹線も、北陸新幹線も、県庁所在地間を結ぶインターシティー(都市間)列車のようになっているのに、上越新幹線だけは、首都圏を出ると、県庁所在地は終点の新潟だけ。フル規格の新幹線ではありますが、新潟県中央部および北部地域の専用新幹線のようになっています。

 

 ただ、北陸地方の人には申し訳ないのですが、北陸新幹線が本線、上越新幹線が支線、という考え方は、ちょっと違うかな〜、と思います。もっと端的に言えば、上越新幹線に比べて、北陸新幹線の需要の方が劇的に大きいとはどうしても思えないのです。

 

 また人口の比較になってしまいますが、上越新幹線の終点の新潟市は約80万人で、本州日本海側最大の都市となっています。また、途中の長岡市が約27万人。新潟県全体の人口は約230万人で、北陸新幹線が通る上越地方と佐渡地方を除くと約200万人。

 

 一方、富山県と石川県を合わせた人口は約220万人。前述の通り、首都圏を除き北陸新幹線の沿線に人口50万人を超える都市はありません。人口の比でいうと、上越新幹線沿線と北陸新幹線沿線に大きな差はないのです。

 

 さらに余談を言うと、2004年に発生した新潟県中越地震では、上越新幹線が脱線、2ヶ月以上の運休を余儀なくされました。その間、日本航空と全日空は羽田空港と新潟空港を結ぶ臨時便を1日8〜10往復運行しましたが、連日どの便も満員だったそうです。

 

 しかも、東京と新潟は距離が近いので、飛行機が新幹線の競争相手にはなりません。上越新幹線が開業するまで、羽田〜新潟の飛行機の定期便もあったのですが、上越新幹線が開業すると瞬く間に廃止されました。つまり、現在では首都圏と新潟(市)方面を移動する人のほとんどが、上越新幹線を利用していることになります。

 

 こう考えると、首都圏〜新潟(市)間はそれなりの需要があると考えられます。新潟市より人口の少ない長野市と東京を結んでいた長野新幹線は、18年もの間運行されてきたわけですし、ミニ新幹線とはいえ、秋田新幹線や山形新幹線も、1時間に1本のダイヤが維持されています。

 

 現行の上越新幹線は、東京〜新潟間で1時間1〜2本は運行されていて、これより減便になるということは、ちょっと考えられません。もちろん、今の本数でも少ない、という人もいるかもしれませんが、繁忙期には臨時列車も運行されますので、現状のダイヤでも十分なのではないかと、個人的には思っているんです。