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Happy-Go-Lucky Дневник

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2016年12月21日 新ブログ開設!


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日本テレビ内定取り消し騒動について思うこと

平成26年(2014年)11月18日(火)

 久々に面白い(=「興味深い」という意味です)裁判のニュースが入ってきました。日本テレビがアナウンサー採用に内定していた女子大学生を、ホステスのアルバイト経験があることを理由に内定を取り消し、女子大生側が裁判に訴えた、というニュースです。

 

 ミス東洋英和にも輝いたことがある東洋英和女学院大学4年生の笹崎里菜さんは、昨年9月に日本テレビからアナウンサー採用の内定をもらい、来年4月から働くことになっていました。

 

 しかし、彼女は、お母さんの友人が経営する銀座のクラブで、手伝いを頼まれて短期間ホステスをしていたのだそうです。昨年9月に行われた日本テレビのセミナーで書いた「自己紹介シート」にはそのことは書かなかったそうですが、内定をもらった後、念のために人事部長に相談したところ、今年の5月に内定取消しを言い渡されたそうです。

 

 日本テレビから笹崎さんの元には、

〈銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくないものであり、仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずることは明らか〉(NEWSポストセブンの記事より)

との書面が渡されたそうです。

 

 これに対してネット上では「職業差別だ」と、日本テレビに対する批判が噴出し、銀座のママたちも怒っているようですし、私もそう思います。まあ、現時点では情報は笹崎さん側からしか出されていませんので、どこまで真実かはわかりませんが、この程度の就労歴で内定取り消しって、ちょっと気の毒すぎないか、と思ってしまいました(もちろん、私は生粋のおっさんですので、若くてキレイな女の子に肩入れするバイアスは当然かかります^^;;)。

 

 でも、これは価値観の問題ですので、善悪で語るのは、ちょっと難しいかもしれません。日本テレビがどんな人材を採用するかについては、日本テレビの自由なのかな、という気もします。ただ、もし書面のような内容が日本テレビ側から本当に送られたのならば、日本テレビは自局のアナウンサーは「清廉」で、銀座のホステスは「清廉ではない」と考えている企業だということははっきりしました。

 

 最近、企業から「ステイクホルダーを大切にする」という言葉をよく聞きます。「ステイクホルダー」とは「利害関係者」という意味で、企業は自社の利益を追求するだけでなく、関わっている人すべて、具体的には顧客(消費者)、従業員、株主、出入り業者、地域住民など、みんなの利益と幸福を考えなければならない、という考え方を表したものです。

 

 日本テレビのようなマスコミで言えば、テレビに出演するタレントや、スポンサー、視聴者などが「ステイクホルダー」になります。視聴者の中には当然水商売の人もいますし、水商売の人が取材先になることもあると思います。また、タレントというのは、人をもてなし、楽しませる仕事ですので、ホステスに近いものがあります。

 

 こうした「ステイクホルダー」たちを、日本テレビは自局社員とは一線を引いて接する企業だということが、はっきりしました。常に自分たちを高いところに置き、水商売(テレビ局だって、十分に水商売なんですが…)の人たちは劣悪な、汚い世界の人たちだと小馬鹿にしてとらえる企業だということが、はっきりしてしまいました。

 

 職業差別と言えば、今回の書面は、水商売の人に対する差別だけではありません。女性アナウンサーに対する日本テレビの態度も、露呈してしまったと思います。

 

 笹崎さんは、難関の日本テレビアナウンサーの内定をもらったのですから、どういう採用基準か知りませんが、日本テレビから「アナウンサーとしての能力あり」というお墨付きをもらった、ということになります。

 

 そのお墨付きを、お母さんの友人のお店の手伝いをしたくらいで「清廉性がない」という理由で覆されてしまったのです。つまり、少なくとも日本テレビにおいて女性アナウンサーとは、飾ってある花の如く、とにかく番組で如才なく愛嬌を振りまいていれば中身がなくてもいい存在だということになります。

 

 それにしても、来年からは、日本テレビはアナウンサーの採用は、非常に大変になると思います。膨大な応募者の素行を、丹念に調べなければならないからです。もしかしたら、その昔、日本企業がやっていたと噂される、探偵を雇って徹底的に調査するというおぞましいことをやるかもしれません。逆にそこまでして採用しなければ、合法的な職業についていたことを自ら告白したことで「清廉性に欠ける」と内定を取り消された笹崎さんとのバランスが取れません。

 

 一方、アナウンサー、とくに日本テレビのアナウンサーを目指す人(とくに女性)は、今以上に”素行管理”が重要になります。今は、週刊誌のみならず、一般人までもがSNSでアナウンサーやタレントの素人時代の素行を晒すアホな時代になっていますので、アナウンサー志望の人は、もしかしたら中学生くらいから、常に”身綺麗”にしておかなければならないかもしれません。

 

 そうすると、アナウンサーになれるのは、アルバイトもしたことがない、電車の乗り方も知らない、超箱入りお嬢様だけになります。そういう人も有為な人材であることは間違いないのですが、そういう人ばかりが集まると、ちょっと面白くないと思います。テレビ局って、雑種多様な人材が集まる自由な業界だと思いますので…。

 

 私からしたら、銀座でホステスをしていた、なんていうのは、むしろ得難い貴重な体験で、アナウンサー業務に活かせるのでは?とすら思ってしまいます。もしかしたら、笹崎さんも、普段は同世代の、似た価値観のお友達としか付き合いがないから、そういうお店で働いて、社会のいろんなところを見て、人間としての幅を広げようとしたのかも。もしそうなら、やっぱり内定取り消しは気の毒だと思います。

 

 日本テレビの上層部にも、一人ぐらい「今度入ってくる女子アナ、銀座でホステスしてただと〜!オモロイやないかい、採用したれ」っていうような豪放磊落は人はいなかったんでしょうかね〜。やっぱり、自由な業界も創業60年ともなると、組織は官僚化して、常に無難な道を歩むようになるんでしょうか…。