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Happy-Go-Lucky Дневник

当ブログは2018年3月31日を以って完全終了(廃止)いたします!

2016年12月21日 新ブログ開設!


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議会での不規則発言も可視化したら面白そう

平成26年(2014年)6月28日(土)

 社会的地位のあるいい大人が、テレビカメラの前で、あれだけいけしゃあしゃあとウソをつくのを見られたのも珍しかったです。東京都議会の鈴木章浩議員(51歳)のことです。

 

 18日に行われた都議会本会議で、1年生議員で、初めて一般質問に立った塩村文夏議員(35歳)が少子化・晩婚化対策に関する質問を始めると、塩村議員に向かって「早く結婚した方がいい」と、議員の職務上の資質とは無関係の、きわめてプライベートな領域について揶揄(やゆ)するようなヤジを飛ばしてしまい、大問題に発展しました。

 
 まあ、言ってしまったことは仕方ないですし、すぐに非を認めて謝ればよかったんですが、その後の対応がさらにひどいものでした。
 
 鈴木議員は、早い段階からヤジの張本人として名前が上がっていましたが、本人はテレビの取材にも、自分じゃない、そんなヤジは聞こえなかった、塩村議員が未婚だとは知らない、ととぼけ、シラを切り通しました。
 
 しかし、議場という限られた空間で誰がヤジを飛ばしたなんて、明らかになるのは時間の問題です。観念した鈴木議員は23日、ヤジを飛ばしたのは自分であると、ようやく認めたのです。
 
 認めた後でもなお彼は、未婚の人たちに早く結婚してほしいという想いで言った、などと釈明。う〜ん、でもそれはさすがに苦しすぎる弁明でしょう。「この小娘、調子に乗らないように、議会の先輩として洗礼を浴びさせてやろうか」ぐらいの意識で、いつもの調子でとくに悪気もなく言ってしまったのでは、と思います。
 
 いずれにしても、人様の子に対して公衆の面前で辱(はずかし)めるような言動はしない、やってしまったことは潔く認める、詭弁(きべん)を弄(ろう)する言い訳はしない、といったことは、武士道精神にも連なる誇り高き日本人の伝統的な精神文化のはず。
 
 鈴木議員は、無許可で尖閣諸島に上陸するなど、普段はかなり勇ましい政治家のようです。でも、保守主義の政治家というのなら、もうちょっと自分自身が日本人としての高い精神性を身につけてほしいなあ、と一連の彼の言動を見て思いました。
 
 と、書きつつ、私もウケ狙いから、不用意な失言を周囲の人に対してしてしまいがちな性格なので、今回の彼の言動を他山の石として、自分も気をつけなきゃな、と思いました。
 
 鈴木議員を擁護するつもりは全くないのですが、彼の狼狽(ろうばい)ぶり、迷走ぶりは、何となく理解できてしまいます。
 
 彼は、都議会でも”ヤジ将軍”として知られていたようです。今までも辛辣(しんらつ)なヤジを飛ばしてきたのだと思いますが、質問者は完全無視か、睨(にら)むかで終わっていて、大問題にはならなかったんだと思います。
 
 でも、塩村議員は質問途中で泣き出してしまい、その後、議長宛に処分要求書を提出、マスコミも大々的に報道して、鈴木議員は「えっ〜、いつもとちがうよ〜」と、かなり焦ったんではないのかな〜、と思いました。
 
 マスコミやネット上では、鈴木議員のヤジに周りの議員も笑っていた、と言われていますが、NHK NEWS WEBなどで、問題のシーンの映像を何回も見直すと、鈴木議員がヤジを飛ばした後、塩村議員が1〜2秒くらい質問を止め絶句した後、照れ笑いのような、苦笑いのような軽い笑い声を発し、それに呼応して周りの男性議員も笑っていることが分かります。
 
 映像には残っていませんが、塩村議員によると、その後も増長した他の議員から「子供を産めないのか」などというさらにひどい暴言ヤジがあったとのこと(→★脚注)。
 
 そこで、私なりにこの時の周りのおやじ議員たちの心理を想像してみたのですが、鈴木議員のヤジの後の塩村議員の一瞬の沈黙で、(えっ!?鈴木君、それ言っちゃう?さすがにちょっとまずいんじゃないの?)と思ったものの、塩村議員が笑ったので、全て免罪されたと思い同調して笑い、さらにヤジを加勢したんだと思うんですよね〜。
 
 だから、周りのおやじ議員たちも、その後の展開は予想外で、焦ったんではないかと思いました。
 
 そうしたら、明治天皇の玄孫でおなじみの竹田恒泰さんが今回の件についてこんなツイートをして話題になりました。

 
 要するに、塩村議員の方が”大人の対応”をしなさい、ということで、これはひとつの見解ではあると思います。たしかに、政治の世界に長年もまれてきたベテラン女性議員なら、もっと上手に立ち回れたのかもしれません。
 
 私は、この手の意見は出るだろうな、と予想しました。一昔前(ふた昔前かな?)だったら、「ヤジをした議員がアホなんだから、塩村さんも無視すりゃよかったんだよ、大人げないな〜」とか、「議会が終わった後、塩村さんが鈴木さんのところに行って『やだ〜、センセイったらあんなこと言って、もう!』とでも言ったら、おやじ議員たちも『お〜、若いのによくできたおなごじゃ』なんて喜んで、塩村さんもおやじ議員たちの覚えもめでたく、株をあげることが出来たのにね〜」といったような意見はもっと出たような気がします。
 
 20世紀の日本の会社では、女性社員は「職場の華」なんて言われて、男性社員にお茶をくんだり、肩もんだり、軽いセクハラをいなしたりしていれば、評価が上がった時代があったんだと思います。
 
 また、女性社員側も、職務上の能力とは全く関係のない「女子力」というものを磨いて、良い結婚相手を見つけるぞ、などと腰掛け意識で働いていた時代があったんだと思います(20世紀の会社で働いた元OLの方からは、よく知らんくせに勝手なことぬかすなボケ!って怒られちゃうかも。たしかに、私の何となくのイメージです)。
 
 まあ、それはそれで、男社会を生きる日本の女性の賢い処世術だったのではないかと思います。でも、時代は21世紀です。近年は、会社もコンプライアンスを重視するようになって、そういうのはやめましょう、という方向になっています。
 
 セクハラおやじを上手にいなす、というのは、それはそれでひとつの能力だとは思いますが、みんながみんな持っている技術じゃないですし、もちろん身につけておくべき技術でもないですし、当然それができないからといって、その人の職業人としての能力がない、ということにはなりえません。竹田さんの意見は、一般論として平成の世の実務社会ではなかなか受け入れられない考え方なのではないかと思います。
 
 ネット上では、もっと鈴木議員擁護&塩村議員批判の意見があるのかな〜、と思っていましたが、私が見た限りでは、多くは鈴木議員のヤジおよびその後の対応を非難するもので、これはもしかしたら日本社会が進歩した証なのかな〜、と思いましたね〜。
 
 それで、最後に、今回の騒動を見て考えた私の提案をひとつ。
 
 国会でも地方議会でもヤジはなくなりませんが、ヤジは「不規則発言」と言って、議事録には残りません。
 
 つまり、ヤジは、歴史上は全く存在していない発言、ということになります。ヤジの発言者は、公的にはその発言責任を永久に問われることなく、それでいて、相手には十分にダメージを与えられるという、そうとう卑怯(ひきょう)な手段なのです。
 
 それで、いっその事ヤジを禁止するのではなく、ヤジもひとつの言論として可視化したらどうかな、なんて思ったのです。
 
 今や、議員が公務の時間以外で書いたブログやツイッターやFacebookでも、その内容によっては炎上したりして、社会的な制裁を受けます。
 
 それなのに、言論の府である議会において公務時間中に議員が発した言葉が、どこにも残ることがなく、その内容についてなんら責任を問われない、というのは、なんか納得がいかないと思ったのです。ヤジというのは、議員の人間性、思想がよくわかるものであり、有権者が議員を評価するファクターとして、とても重要なものだと思うのです。
 
 これが、2〜30年前なら、現実的ではない提案として一蹴されたでしょう。ヤジまで記録したら膨大な議事録になって、収納場所もないし紙ももったいない、記録するって言っても、議員にマンツーマンで速記者をつけろとでも言うのか、といった具合に。でも、今は、工業技術がそれらの問題を全て解決してくれます。
 
 議場に、議員の人数分の顔認証ビデオカメラを設置し、常に一人一人の議員の様子を映し出すようにします。また、議員席には、高性能マイクを設置し、ヤジもひそひそ話も、すべて拾うようにします。そして、その拾った音声を、音声認証技術で文字に起こします。
 
 これらの映像や音声、文字化したものを、インターネットで配信するのです。有権者が画面の議員一覧から議員名をクリックすると、その議員の議会での様子がストリーミング動画として流れ、その横にはヤジのタイムラインが表示される、という具合です。
 
 よく、国会議員を批判する言説に、議員はいつも居眠りばかりして全く仕事をしていない、というのがあります。でも、実際、どの議員が、議事進行のうちの何パーセントの時間居眠りしていたのかなんて、誰も分かりませんよね?国会中継で後ろにちらっと映る議員で居眠りしている奴がいるなあ、ぐらいの認識でしょ?もし、本気で居眠り議員を特集するテレビ局があったら、うるさ型の議員から、やれ放送免許剥奪だなんだといった声が上がって、大騒ぎになるに決まっています。
 
 でも、議員一人一人のストリーミング動画を配信したら、どの議員が、どんな姿勢で議会に臨んでいるのか、一目瞭然です。
 
 さらに、国会で大臣が答弁するとき、よく官僚の方がレクチャーしているシーンを見ますよね〜。あれも可視化したら面白いと思います。
 
 部下である官僚が、上司である大臣に報告、連絡、相談するのは、何ら悪いことではありません。むしろ、大臣と官僚のやり取りを可視化することで、国民に「この大臣、とんちんかんな受け答えしてるな〜、何も分かっていないんだな〜」ということがバレてしまいます。
 
 日本の大臣は、長年議席を守った人が、ご褒美でさせてもらうことも多く、就任会見で「これから勉強します」というがっかりな発言を多く聞くことになるのですが、もし、オフレコ的なものも含めて、国会での全ての発言が可視化されたら、アメリカみたいに真のスペシャリストが大臣にならざるを得ず、日本の政治シーンも、劇的に変わるだろうな〜、と、そんなことを考えてみたのです。
 
 
 
★このブログの「公開する」ボタンを押す前に、今朝(28日付け)の朝日新聞朝刊の社会面を読んでいたら、朝日新聞とテレビ朝日が、記者が録音した音声や、都議会中継の画像の音声を分析した結果、鈴木議員に続いて、複数の議員から塩村議員にヤジが浴びせられたことがわかった、との記事が載っていました(セクハラだと注意するヤジもあった、とのことで、この記事は結構信憑性があるのでは、と私は思いました)。
 
 ネット上では、鈴木議員以外のヤジは、塩村議員の妄想(空耳)だ、説もあり、私もそういうこともあるかもしれないから、まず事実関係ははっきりさせるべきだと思って、今回のブログで書いたヤジ可視化の意見を思いついたのですが、もし今朝の朝日新聞の報道が事実なら、ヤジを飛ばした輩は、議員としてではなく、人間として終わっていると思います(私は、年齢的にはどっぷり「おやじ」の域につかってますが、こうした「おやじ然」とした言動をして平気な人には、絶対になりたくありません)。
 
 ヤジの内容は書きたくないほど酷いものですが(正直、こんなに酷いとは思いませんでした)、朝日新聞を購読していない方もいらっしゃると思いますので、以下にそのまま転記します。
 
塩村議員の質問とヤジ(録音の音源から)
 
塩村都議:東京は、都会であるがゆえに周囲との関係が希薄で、女性が妊娠、出産、育児にかかわる悩みを一人で抱えてしまうという弊害があります。(中略)妊婦さんを支える仕組みはとても重要であり、私も所属をする厚生委員会で、この件についての充実をお願いしてきました
 
鈴木章浩都議の声:早く結婚した方がいいんじゃないか
 
男性の声:自分が産んでから
 
男性の声:がんばれよ
 
(議場で笑いが起きる)
 
塩村都議:今後、妊娠、出産に関して
 
男性の声:動揺しちゃったじゃねえか
 
塩村都議:悩みを抱える女性たちの問題に対し(中略)具体的な取り組みをお願いいたします。
 
男性の声:いやー、先生の努力次第
 
塩村都議:また、不妊の原因は女性だけではなく
 
男性の声:やる気があればできる
 
塩村都議:男性にも原因があります。男性の協力を得る難しさから、悩みが大きくなる女性たちのサポートも必要です