読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Happy-Go-Lucky Дневник

当ブログは2018年3月31日を以って完全終了(廃止)いたします!

2016年12月21日 新ブログ開設!


http://www.tamuratakuto.com/



小保方さんがんばれ!と言いたいけれど…

平成26年(2014年)4月22日(火)

 この数ヶ月、世間の関心を集めたSTAP細胞騒動。生命科学の問題にとどまらず、組織論からメディア論、大学教育論から大衆心理の考察まで、いろいろなジャンルの知的好奇心を我々に起こさせる材料になっていますよね〜。

 

 私もこの一連の問題にとても関心があって、9日の小保方さんの記者会見についての感想を先日のブログに書きました。その後も、インターネットやマスメディアでいろいろ情報を得て、さらに自分なりにいろいろ考えてみました。

 

 それで、この問題には全く門外漢の私ですが、一応いろいろな情報を見聞きして考察したことを、いっちょかみだとは思いつつ、自分の頭の中の整理も兼ねて、書いてみたいと思います。

 

 まず、STAP細胞は本当に存在するのか、とても気になりますが、16日の理研の笹井芳樹副センター長(52歳)の記者会見で現時点での結論は出たようです。笹井さんは「有望で合理的な仮説」と言いました。つまり、「今後できる可能性はあるが、今は存在すると断言はできない」ということです。

 

 小保方さんは9日の会見で「STAP細胞はあります」と断言していましたが、科学的根拠を示せませんでした。

 

 一方、笹井さんの説明、また、報道陣に配られた資料は、科学的根拠のある、納得のいくものだった、という専門家の声が、私がインターネットやテレビで見た限りは多かったです。

 

 やっぱり、合理的に考えると、小保方さんの言っていること、つまり現時点でSTAP細胞はあると断言してしまうことは、間違いなんだろうな、と思わずにはいられません。

 

 それでも一発逆転を狙っているのか、小保方さんは9日の会見で、論文の撤回は「現象が完全に間違いであると世界に発表することになる」とし、「結論が正しい以上、そのことを世界に発表することは、正しい行為ではない」と言って、いまだに論文の撤回には同意していません。さらに、「たくさんの”コツ”やある種のレシピのようなものが存在している」と、自分だけが独占的に持っている作製技術があるかのようなこともにおわせていました。

 

 さらに、14日に弁護士を通して発表した声明では、その”コツ”について、「所属機関の知的財産であることと、特許等の事情があるため、個人では全てを公表できない」と弁明しました。確かに、生き馬の目を抜く科学の世界にあって、手の内を明かしてしまうことにリスクがあるのは、納得がいきます。

 

 でも、小保方さんより経験も実績もある笹井さんが「仮説」と言っているのに、そのことを覆す、特許(もしくはノーベル賞)に値するようなデータや技術を小保方さんが持っているとは、かなり考えにくいです。

 

 小保方さんはその後も弁護士を通して、いろいろ釈明の文書を出していますが、そろそろ謙虚になって非を認め、論文を撤回する戦略に変えていかないと、頼みの綱の世論の支持も失ってしまうことになるような気がします。

 

 私は、心情的には小保方さんを擁護したいのですが、ブログやツイッターでの小保方さん擁護の意見を読んで、得心がいくものは少なかったです。

 

 よくあった意見は、もし今後STAP細胞が第三者によって再現されたとしたら、小保方さんを批判していた人はどう開き直るのか、というもの。たしかに、もしそうなったら、小保方さん、ちょっと論文の作り方はまずかったけれど、そんなのたいした問題でないよ、ホントによくやったね、という風潮になって、小保方さんを批判していた人は肩身の狭い思いをするでしょうね。

 

 でも、私がいろいろ見てきた限り、小保方さんを批判している人の意見の大多数は、STAP細胞の有無はひとまず置いといて、小保方さんの研究手法のまずさそのものを指摘しているものでした。

 

 私は今回の問題で、科学とはなにか、ということを考えました。それで、その答えは、前回のブログで紹介した、ジャーナリストの江川紹子さんのツイッターでのツイートに集約されていると思いました。もう一度貼り付けたいと思います。

 

 

 つまり、科学にとって一番大事なことは、「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」、この2点だけだと思います。そして、小保方さんはこの2点を踏みにじるような、ずさんな論文を作ってしまいました。

 

 もちろん、特許とか裁判とか、いろいろな影響があるでしょうから、焦らずゆっくりじっくりでもいいので、最終的にどうして信頼性を揺るがすデータや画像を論文に載せてしまったのかについて、再度きちんと説明してほしいと思います。結果オーライ、ということだけにはしないでほしいです。

 

 科学のいいところは、どんな偉い王様でも、私のような何の権力もない庶民でも、平等にその恩恵を享受できるところです。そして、それが保証できるのが「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」にあるのです。

 

 もし、「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」が軽視されるのならば、権威のある人、財力のある人、声の大きな人、見てくれのいい人が恣意的に述べる意見が世間的に“正しい”とされてしまいます。

 

 小保方さんを擁護する意見の中に、ガリレオ・ガリレイに小保方さんをなぞらえるものもありました。ガリレオ・ガリレイとは、16〜17世紀のイタリアの天文学者で、現代では小学生でも正しいと知っている地動説を唱えたために裁判にかけられ有罪になってしまった人です。

 

 なるほど、STAP細胞は実際に存在しているのに、それを唱えたために小保方さんは科学界から抹殺されようとしている、まさに現代版ガリレオ・ガリレイという訳ですね。

 

 でも人類は、ガリレオ・ガリレイのような悲劇を出さないために、これまで多くの人が「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」を守りながら知識を積み重ねてきたのです。小保方さんの論文のミスは、故意でなかったとしても、人類が続けてきた知識の蓄積という営みを裏切ることになりかねない重大なミスだと思います。

 

 小保方さんをガリレオ・ガリレイになぞらえる人たちは、むしろ小保方さんが今のところ「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」を軽視し、「とにかくあります」ということだけを強弁していることを批判すべきだと思います。

 

 「第三者による再現性」と「プロセスの可視化」が確保できるような道筋を明確に示さない限り、小保方さんは、天動説を唱えて疑わなかった17世紀の人たちと同じになってしまうと思うのです。

 

 それから、小保方さんが目立ちすぎたために科学界から目を付けられて、みんなでよってたかっていじめているとか、理研が小保方さん一人に責任を押し付けてトカゲのシッポ切りをしようとしている、という意見も結構見ました。

 

 でも、さすがにこれほど大々的に報道され衆人環視のある中で、よってたかっていじめる、なんてことは現実にはできないのではないかと思います。むしろ、多くの研究者は、小保方問題に巻き込まれたくない、関わりたくない、と思っているのではないでしょうか?

 

 それと、保身に走って他人に責任をなすり付けるような組織や人が、いつまでものさばれるほど世の中は甘くないと思います。そういう組織や人は、いずれ淘汰され消えて行くので大丈夫です。

 

 今回の件で、理研も、関わった人たちも、十分にダメージを受けました。今後、色眼鏡で見られることになり、社会的制裁を受けると思います。一人に責任をなすり付けてのうのうとしていられるほど生易しい状況ではないと思います。

 

 それに、仮に組織の理不尽な論理で排除されたとしても、自分のやるべきことを誠実にやっている人なら、必ず拾ってくれる人や組織はあると思います。厳しい言い方をすれば、トカゲのシッポ切りにあってそのまま消えて行く人は、そもそもその程度の実力の人だったのだと思います。

 

 一方、アンチ小保方派の意見の中にもひどいのがありました。記者会見で堂々と質問していた記者の方もいらっしゃいましたが、笹井さんと小保方さんに男女の関係があって、小保方さんが色じかけでリーダーに抜擢されたのではないか、という意見です。

 

 たしかに小保方さんは魅力的な女性ですし、理研の男性陣がその色香に惑わされた、というのはストーリーとしては面白いですが、さすがに「女子力」だけでリーダーにのし上がれるほど理研という組織は腐ってないと思いますし、男性陣もそれほどアホではないでしょう。

 

 笹井さんも会見で「発想力と集中力」を評価していたように、小保方さんは優秀な資質を持った研究者であったと思うんです。

 

 むしろ、理研は、東大や京大卒でもなく、経験も少ない30歳の若き研究者をリーダーに抜擢し、そして、その独創的な研究を評価し、ネイチャー誌に掲載までさせてあげた、と考えるべきではないのか、と思います。

 

 もちろん、笹井さんの管理者としての責任、指導者としての責任は免れられないのは間違いありません。でも、組織はその構成員の相互の信頼関係で成り立っているところがあります。上司や部下や同僚に対しては、性善説に基づいて信頼するしかありません。常に疑って監視したり密告させたりするような環境では、組織として成り立ちませんし、効率も悪くなって仕事にならないと思います。

 

 小保方さんは30歳の大人であり、リーダーを命じられ、それを受け入れて仕事をして給料をもらっていたのです。未熟なら未熟なりに、謙虚にいろいろな人の助言を求めるなど、もう少し、責任感を持って仕事をすべきだったのでは、と感じました。

 

 STAP細胞については、研究があまりに高度で難解すぎて、その有無に関しては私には全く分かりません。でも、笹井さんは「有望で合理的な仮説」と言いました。

 

 もしかしたら、将来STAP細胞が実用化され、多くの難病患者を救っているかもしれません。そうなったら、人類にとってとても有用なことですので、引き続きいろんな人に研究してほしいと思います。それで、やっぱり小保方さんの研究(仮説)は正しかったと認められれば、その部分は正当に評価してほしいとも思います。

 

 でも、今回小保方さんが書いた論文自体は、理研がねつ造と断定し、笹井さんや若山さんも、共同執筆者としてキャリアに傷がつくことをいとわず、撤回に賛成しています。やっぱり、不正の論文だったのだと思います。

 

 小保方さんも別に法律に反する犯罪行為をした訳でないですし、その能力を社会のために発揮してほしいと思いますので、今後も研究活動をして行ってほしいと思います。

 

 でも、その前に、どうしていいかげんな論文を書いてしまったのかということは、「未熟だった」ということでごまかすのではなく、動機面、心情面も含めて自らしっかり検証してまとめて世間に公表してほしいです。

 

 そうしないと、今後、同じようなことをする研究者が出てしまうかもしれませんし、小保方さん自身が、今後の研究者人生で再度同じ過ちをしてしまう危険性があると思うのです。